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生後1歳半から芽生え育まれる他者への共感Empathic Concern

学力という物差しでは測れない、肯定的・能動的な姿勢や好奇心旺盛で意欲に満ちていること、辛いことがあっても諦めずにやり抜く心の強さ、社会参加意識や利他的で寛容な心の柔軟性、思いやりや共感する能力、自分を表現し他者と信頼感を持って繋がっていくコミュニケーション能力といった非認知能力が、その子の人生にとって学力以上に重要なのではないかという考えが、教育の分野で、現在広く浸透しています。

その中でも、他者の苦痛を自分のものとして共感し感情移入する能力「Empathic Concern」は、自己と他者の違いとその境界を認識し、社会の中で生きていく自分という社会性のある自我の形成の基礎ととして、人格形成にとってとても重要なものとして注目されています。

自分と異なる存在として認識する他者に対して、共感し感情移入して考えることができるには、感情的に共鳴するということだけでなく、他者の視点で物事を捉えるという認知的な発達が必要となってくるのです。この共感性「Empathic Concern」は、社会的な繋がりの中での相互作用によって育まれますが、最新のLMU(ミュンヘン)の研究により、1歳半までの赤ちゃんの時期の両親、特に母親の感受性が大きな鍵となり、1歳半から2歳の間に獲得され育まれていくということが明らかになりました。子どもが他者の苦痛を理解し労わる行動がとれるかどうか、更に後々苦しむ人を助けようとする強い気持ちを持つかどうかということに、赤ちゃんの頃から直接子どもの世話をする大人の振る舞いが大きく影響すると、LMUの発達心理学・教育心理学部チーフのMarker Paulusと共同研究者Tamara Becherによる定期的な行動観察研究によって明らかになったというのです。

同じ赤ちゃんと母親の組み合わせで、127組の母子を6ヶ月、10ヶ月、14ヶ月、18ヶ月の時点で、LMUに招き、4つの遊びのシーンで、そばにいた大人がアクシデントで痛がる様子を見せた時と、笑って楽しそうにしている時の子どもの反応・行動の変化を観察し比較したとのことです。限定的な条件下での研究ですが、1歳半の時点で、子どもの様子に対して敏感な母親の子どもの方が、痛がる様子の他者に対して敏感に反応したということです。

社会との繋がりを持って生きていくのに必要不可欠な共感性(Empathy Concern)は、決して先天的なものではなく、社会的な関係性と相互作用の中で育まれていくものだそうです。子どもは赤ちゃんの時から、日々世話をしてくれる身近な大人に労られ気遣われていくことで、負の感情との付き合い方を学び、また他者が例え見知らぬ人でも苦しんでいれば感情移入し共感を覚え、少しでも社会のために役立つ行動を取ろうとしていくようになっていくのだということです。

共感性の高い子どもは、社会との健全な繋がりを持ち、他者を助け他者から助けられして、幸せな人生を歩んで行くことができるでしょう。その大切な第一歩である乳幼児期を大切に考えていくことが、まずは何より重要なのです。

Developmental psychology: Concern for others emerges during second year of life

https://www.sciencedaily.com/releases/2024/03/240327124710.htm

Date: March 27, 2024

Source:Ludwig-Maximilians-Universitat Munchen

https://www.lmu.de/en/newsroom/news-overview/news/news-detailseite_45952.html

Summary: An empirical longitudinal study tracked the emergence of empathic concern in children.

 

Journal Reference:

  1. Markus Paulus, Tamara Becher, Natalie Christner, Marina Kammermeier, Burkhard Gniewosz, Carolina Pletti. When do children begin to care for others? The ontogenetic growth of empathic concern across the first two years of life. Cognitive Development, 2024; 70: 101439 DOI: 10.1016/j.cogdev.2024.101439

Cite This Page: MLA

Ludwig-Maximilians-Universität München. “Developmental psychology: Concern for others emerges during second year of life.” ScienceDaily. ScienceDaily, 27 March 2024. <www.sciencedaily.com/releases/2024/03/240327124710.htm>.