PonoLipo 子育てチャンネル:自由が丘にある絵本と知育おもちゃのお店PonoLipo Shop 自由が丘から順次配信していく「子育て応援」動画です。お子様の年齢・発達に合った知育課題についてお話ししていきます。第57回目の配信は「幼児期就学前の発達と接し方4〜6歳(2)ごっこ遊びから学ぶ」ということで、社会性を育み、想像力を養う上で、ごっこ遊びが大変重要であるというお話をしています。
ごっこ遊びは、社会性を育み、会話を通して人とコミュニケーションを取ることを子ども達が実践的に学んでいくことができる、とても意味のある大切な遊びです。マナーや社会のルール、立場や役割、仕事ということについて、子ども達が学んでいく重要な遊びでもあります。怒ったり叱ったりする「しつけ」よりも、ごっこ遊びを通して、他者の視点に立って自分がどう見えるかということを教えていく方が、実効性がある場合が多いと思います。「何を怒られているか分からないけれど、とりあえずその場を治めるためにごめんなさいを言う」という子どもは、何度言っても同じことをしてしまいます。よくある「何遍言っても分からない」と言う状態です。駄々をこねて言うことを聞かない子どもの面倒を見るお母さんが、どんな気持ちになるか、泣いて注射を嫌がる子どもに注射を打たなければいけないお医者さんがどれほど困ってしまうか、実際に経験してみると実感を持って理解することができます。だからといって駄々をこねたり泣いたりするのを直ぐに止めることはできないかもしれませんが、「しないようにしよう」という姿勢は育まれていきます。子どもの「しつけ」には、この自発性が、とても大事なのです。
子どもが、お人形でごっこ遊びをしている時に、乱暴なことや危険な言動が出たら、それは何か園や学校であったと思って、直ぐに「そんなことしちゃダメでしょう!」『なんでそういうこと言うの!ダメでしょ!」などと叱ったりしないで、そのごっこ遊びの中のこととして、どうしたのか何があったのか、さりげなくあれこれ聞いてあげて欲しいと思います。その子自身がひどいことをされただけでなく、ショックなことを目撃してしまったという場合も、言葉でそのことを表現することのできない幼い子どもが、ごっこ遊びの中でその事を表出することがよくあります。そう言う時は、ゆっくり丁寧に話を聞いて、ごっこ遊びの中で「やめて!と大きな声で言おうね」とか、「ちゃんとごめんなさいしなきゃいけないね」とか、「また同じような怖いことがあったら、先生を呼びに行こうね」とか、具体的な対処法を教えて実践して見せてあげて下さい。この時期に起こる小さないじめや乱暴によってできた上下関係が、固定化していくと後々難しい問題に繋がったりする可能性もあります。けれど、ほとんどは、この時期にきちんと対処できれば、それで治まるものです。ごっこ遊びは、そうした問題の芽を顕在化してくれる遊びでもあるのです。
園や学校では、どうしても言葉の発達が早い子どもが主導権を握って、上下関係が生まれがちです。言葉の遅い子、大人しい子は、お家では、努めてその子のお話を遮らずに、あれこれ問いかけながら聞いてあげて下さい。話を聞いてもらう機会、会話する機会が多ければ多いほど、言葉は発達し思考する力も育まれていくのです。