PonoLipo 島のふくろうさんが、国内外で子育てした経験を通して得た、先輩ママとしてのちょっとしたアイデアやヒントをお伝えするコラム。連載11回目です!
PonoLipo 島 ふくろうさんの子育てアドバイス
<11>子どもと共に学び成長していくことを大人も一緒に楽しみましょう
アメリカで昔から大人気のしつけ絵本のシリーズに「Berenstain Bears」があります。熊のパパ、ママ、お兄ちゃん、妹ちゃんの4人家族のお話です。この絵本は、子どもが大人から「いけません」ということをやったらどんな大変なことになるか?とか、初めて行く場所や初めてすることって本当はどんなふう?とか、子どもにとってドキドキ知りたいお話仕立てになっているため、みんな真剣に読みます。絵柄は、そんなに可愛くないので、日本では絵本としての評価は低いのですが、私は実際に子どもの躾という面で、大変お世話になり思い出深いシリーズで、PonoLipo Shopにも15タイトルほど置いています。
中でも、やっちゃいけませんということをしたらどうなるか?というお話シリーズが、日本の躾絵本や教育的な物語絵本と決定的に異なるのは、パパとママが、全然立派な大人じゃなく、すごくリアルなんです。子どもと一緒に調子に乗っちゃったり、ぷんぷん怒っちゃったり、余りよく考えずにテキトーな受け答えをしたり…。で、大変なことになるんですが、そこで家族会議をして、子ども達だけではなくパパもママも反省して、いろいろ新しくルールを決めたり、アイデアを出し合ったりして解決策をまとめて実行に移して、大変な局面を力を合わせて乗り越えるという結末なのです。
核家族で子どもを育てていく場合、そこには経験者がいません。子どもも親もみんな若葉マークです。子どもと一緒になって調子に乗ったり、ぷんぷん怒ったり、ゲラゲラ笑ったりしながらも、難しい局面では、同じ船に乗る者同士一生懸命考えて話して一緒に乗り越えていけばいいんです。この熊一家の家族像は、私にはほんとうに新鮮で「良い親でなければならない」という鎧がするすると解けて肩の荷が下りたように感じました。
「子どもにちゃんと教えなければ」という気負いも取れたような気がします。子どもから教えられ、自分も何か子どもに伝えて、一緒に成長していくイメージを持つと、子育ては重荷ではなく、自分にとっても楽しく面白いものだと感じられるようになりました。子どもの前だからって、立派な大人に無理してなる必要なんて全然ないんですよ。
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ご興味がおありの方は、PonoLipo Shopに15タイトルほどありますので、ぜひ一度お手に取ってみて下さい。英語の文章量が少し多くイラストも漫画っぽくて、ぱっと見て面白い絵本とは気づきにくいかもしれませんが、タイトルを見ていただければピンとくる絵本だと思います。
画像は、初めて行く場所のお話シリーズ「お医者さんへ行くよ」です。